2001年7月23日(月) 遍路27日目
山へ
 
 朝食は無し。もちろん、頼めば出るのだろうがパンを持っているので必要無し。

 第78番札所郷照寺[ごうしょうじ]。

 第79番札所高照院[こうしょういん]。神社と同じ境内にこのお寺がある。始め、神社に来てしまい、お寺はどこだ?と思ったが良く見ると本堂や大師堂がある。お寺と神社の明確な違いは分からない。鳥居が有るか無いか?

 第80番札所国分寺[こくぶんじ]。広い。大師堂の中が土産物屋になっていてごみごみしている。納経はここでしてもらう。

 国分寺から、すぐ近くにJR予讃線[よさんせん]国分駅[こくぶえき]がある。旅行代理店を探してみるが見当たらない。駅前は閑散としておりほとんど商店が無い。寂しい田舎の駅だ。駅舎はそこそこ大きいのだが人がいない。人に尋ねる気にもならない。タウンページで調べることも考えるが面倒だ。歩いていればきっと何処かにあるだろう。旅行に行かない人はいないんだし。

 国分寺前に戻り、隣の商店で昼食を買って食べる。これから山だ。へんろころがしと呼ばれているらしい。水が余り無いが山道入り口にトイレがあるようだ。そこで、汲めば良いな。これが失敗だった。

 山に向かい歩く。山を見ても嫌だとは思わない。登ればその後は下り。ずっと山の中にいるわけではない。山に登れば景色が変わる。楽しいことも有るのだ。

 山道入り口のトイレはあったが、水が飲めない。洗面台の上に「この水は飲めません」とある。引き返して水を補給してくるか?答えは決まっている。このまま行く。せっかく登ったのにという思いと、何処かに自動販売機くらいあるだろうという甘い考えだ。さんさんと太陽が降り注いでいるが大丈夫だろう。水は0.5リットルあるし。

 山を登っていくとどんどん干からびてくる。この先、車道に出るようなのでそこまでは持ちこたえねばと渇を入れる。山道は良く整備されており歩きやすい。しかし、「マムシに注意」という看板が何枚も有り不安を煽る。マムシを見たことが無いのでどんな蛇なのか知らないのが悲しいところ。幸い車道に出るまで蛇は見なかった。

 干からびつつやっとの思いで車道に出たが自動販売機は無い。手持ちの水も無い。仕方ないので先に進む。車道の端を見るが空き缶はほとんど捨てられていない。ということは自動販売機は近くにないということだ。

 しばらくすると陸上自衛隊演習場を発見。何か何か無いのか?希望を打ち砕くかのように何にもない。常時、自衛隊が居る所では無いようだ。建物も無い。「立ち入り禁止」の看板があるだけで人がいそうにも無い。運動場?のような物だ。ここで面白い考えが浮かんできた。自衛隊はここに詰所を作れば良い。きっと、僕のように干からびている者がふらふらとやってくるだろう。水を与える変わりにここぞとばかりに自衛隊の宣伝をする。体力も精神も疲弊しているのでその誘いはすんなり心に浸透するのではないか。とここまで来たところで効率の悪さが出てきた。若い遍路は少ない。そもそも歩きの遍路は少ない。宣伝効果は限りなく低い。駄目だ。やはり無駄な考えだった。考えたところで水が出来るわけではない。先を目指そう。

 舗装道路から反れ山道へ。おお、自衛隊の仮宿舎?がある。プレハブの建物が数棟。公衆電話もあるぞ。水場も有るようだ。演習場を使うときの宿舎だろうか。人は全くいないようだ。最近、使われた様子も無い。しかし、柵で囲われているので近づけない。侵入するのはまずいな。何が有るか分からないし、捕まるのも嫌だ。後、1kmほど歩けば到着するしここは我慢しよう。

 第81番白峰寺[しろみねじ]。本堂だったか蜂の巣が軒下にあった。

 次のお寺に行くには山道を戻る。自衛隊の仮宿舎まで登る。そこからは暫くは平坦な山道。晴れているので不安は無い。前からおじさんがやって来た。ハイキングのようだった。

 第82番根香寺[ねごろじ]。駐車場に野良犬が4匹いた。お参りをして山を下るとき、白い犬が先導して山道を行く。僕を先導しているようだ。離れすぎるとしょんべんするふりをして待っていてくれる。15mくらいの間隔でお互いに進む。五色台みかん園から車道を下る。ここで、犬にスナックパンの半分を与える。犬が嫌いだが先導してくれたお礼だ。更に、案内しようとするので無視する。しかし、まだ先導するので邪険に追い払う。やはり、パンを与えたのは間違いだったか。
根香寺からの下り瀬戸内海を望む
 JR予讃線[よさんせん]鬼無駅[きなしえき]近くの中華屋でラーメンとマーボーナスを食べる。宿は山を下りて行く途中、PHSで予約した。宿はすぐ近くだ。鬼無駅を通ったとき男性が下りてきて「今日は気持ちの良いSEXしよう。」と独り言を言っていた。やばそうな男性だった。

 ああ、山だ。始めは山が嫌いだったが、今は好きだ。登って景色を見るのが良い。登るのは辛い。でも、登るのは楽しい。何故変わったのだろう。
 3日後には家に帰る、と思う。バスの予約は取れていないけど何とかなるだろう。

 とめどもないことを書いて寝る。

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