2001年7月21日(土) 遍路25日目
チャリンコと銭形まつり
 
 昨日の夜、宿のおばさんが朝食用にお弁当を作ってくれた。それを鞄に詰め、5時過ぎ出発。朝早く出発するのが日常になった。

 しばらく歩くと後ろから挨拶された。自転車の遍路の人だ。若い男性。マウンテンバイクに乗って颯爽と抜いていった。

 第65番札所三角寺[さんかくじ]。お参りを済ませる。時間が6時45分なので納経所は開いていない。先ほどのチャリンコに乗った男性がいるので話す。伊予寒川駅に野宿したそうだ。回るのは4回目。しまなみ街道を渡って四国入りしたそうだ。納経所も開いたので納経を済ます。ベンチでお弁当を開けると大きなおにぎりが3つ、漬物が入っていた。うまい。漬物は嫌いなのだがこの漬物はうまい。何と言う漬物だろう。チャリンコ遍路は携帯電話に何かを入力している。旅日記でも着けているのだろう。食べ終わり、先に出発する。

 15分ほど歩くと先ほどのチャリダーに抜かれる。もう会うことはないなと思いながら挨拶をする。しばらくすると向かいから原付が3ケツ(3人乗)で来た。スクータで3ケツ、ノーヘル、高校生ふう(私服だけど)どこへ行くのだろうか。

 番外第14番札所常福寺[じょうふくじ]。水の補給で立ち寄る。

 トンネルを抜けると徳島県だった。あれっ香川県は?いったん徳島県に戻るのか。トンネルを出た所のお店で2リットルのウーロン茶を買う。うどん屋の前でおじいさんのチャリンコ遍路がいる。片目が見えないようだ。挨拶をして自転車は行ってしまった。僕も第66番札所雲辺寺[うんぺんじ]に向かおう。

 山道は嫌いだが登らないわけには行かない。嫌いだという気分を変えるようにしてきた。どうせ登るのなら楽しく登りたい。山道を前にして登るぞという気分になってきた。山の日陰で休むと虫がいっぱいいるので休憩をしたくない。山道に入る手前でしばらく休んで山道に突入。高速道路が下に見えて気分が良い。雲辺寺まで山道だと思っていた。しかし、あっさりとアスファルトの舗装道路にでた。そこにはキャベツ畑が広がっている。なんだか拍子抜けして笑いが出てきた。山登りが楽しいと始めて思う。そのまま道なりに登ると雲辺寺山門に到着。下からここまで2時間。三角寺からは5時間30分くらい。山道はたいしたことがなかった。靴が良くなり足が快調だ。

 納経所に行くと朝のチャリンコ遍路がいた。ちょっと前に到着したようだ。チャリンコ遍路もびっくりしている。何よりもこちらがびっくり。やはり、また携帯電話を取り出して何か打ち込んでいる。

<想像>
三角寺で会った歩きの遍路に雲辺寺で追い着かれてしまった。くやしー。


とでも打っているのであろうか。笠の水大師[かさのみずたいし]を経由したのかな。それにしても遅すぎる。4回目なので道に迷うことも無いだろう。自転車では難所なのかな。聞いてみようと思ったら自転車に乗って車道を行ってしまった。

 僕も出発。ロープウェーの方に行けば良かったのだが分からず車道に戻って行ってしまい道を間違える。40分くらい余計に歩く。かなり精神的ダメージが大きい。

山道を下りながらこないだ聞いたオカリナお姉さんのことを思う。きっとこんな山道を汗だくになって歩かないんだろうな。見えないけどロープウェーに乗ってオカリナ吹きながら登り、下りしているのだろう。映像的にはそちらのほうが絵になるだろうし。でも、こんな山道でも景色が開けると最高に良い。でも、ロープウェーのほうが開けているか・・・そんなことは、どちらでも良いか。自分が山道を歩いている。それだけで十分だ。

 第67番札所大興寺[だいこうじ]に16時35分到着。オフロードバイクJEBELに乗った若い男性遍路がいる。かっこいいぞ。

 宿をどうしようか。第68番札所神恵院[じんねいん]の近くに宿に泊まりたい。看板で見た若松屋旅館に電話。ここはビジネスホテルらしい。素泊まり5500円。高いと思うが予約をする。泊まる所も決まり宿に向かいとぼとぼと歩く。外はまだ明るい。

 観音寺市はお祭りだ。宿に近づくにつれ祭りの中心になってくる。宿は、お祭りの中心地にあった。お祭りで盛り上がっている中、遍路が歩いている。なんだかお祭りと遍路とは対極にいるような気がする。銭形まつりというらしい。素人が踊っている。これが特色のようだ。

「なんとかかんとか観音寺、・・・・観音寺」掛け声が良く分からない。

 宿に荷物を置き、着替えて外に出る。太鼓の演奏があるので見に行く。と言っても宿から20mほどだろうか。それほどの中心地に宿がある。太鼓の音を感じていると遍路とは程遠いところに祭りがあるような気がしてくる。祭りには明るいエネルギーがみなぎっている。一方、遍路には違うエネルギーが重くのしかかっている。どちらも目的は似ているけれど手段が全く違う。違いは考えても分からない。ただ、人々の願いは同じだろう。

 宿に帰り、祭りの音を聞きながら寝る。

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