2001年7月20日(金) 遍路24日目
出会いと別れ
 
 朝方、あまりの寒さに目が覚める。やはり、歩いている格好でそのまま寝るにはちょっと無理があるようだ。銀マットを広げ包まって寝直す。がさがさ音をたててしまったので他の方が、起きてしまったようだ。すみません。包まると暖かい。蚊がいるけど眠気の方が勝りあっさり寝る。
銀マットに包まるの図
 起きるとあっちこっちが痒い。足は長ズボンなので刺されなかったが腕がひどい(半袖Tシャツ+7分袖白衣)。数えたら30個所以上刺されているようだ。こういうときは清潔にするのが一番。体をバンダナで拭いて着替えをする。薬をつけるが痒さはとまらない。掻くと治りにくいのでここはぐっと我慢する。長袖が1枚あれば軽減できたかもしれない。

 自転車のkさんはまだ寝るとのことで歩きのkさんと共に出発。昨日の横峰寺での山道の枝を掃除したのはこの人だった。こうやって回っている人が遍路道を守っているのだ。僕も何かしようかと思うがどうだろう。
 埼玉から来たkくんのことを話してくれたり、歩きながらこの辺、野宿にいいねぇなどといろいろレクチャしてくれる。気温が上がり暑くてがんがん水を飲む。全身汗びっしょりになりながら飲む。笑いながら「よく飲むねぇ、もう2リットルは飲んでるよ」と言われてしまった。水飲むとばてると言われるがよく分からない。ただ、飲んだ水分はほとんど汗に変わっている。飲むと体が冷めた気がして元気が出るのは間違いない。

 途中、科学博物館への看板発見。人体展が見たいと思っていたが矢印の下には2km。歩いて往復1時間では行く気が起きない。

 朝6時に出発して約5時間。kさんは1日25kmくらいしか歩かないらしい。すでに20km近く歩いている。kさんとはここで別れることになる。昨日からの続きで非常に楽しかった。握手して別れる。「ずっと回り続けるのですか?」と聞きたかったが怖くて聞けなかった。いつか分からないがきっとまたこの人に会えるだろう。お元気で。

 一緒に歩くのはなかなか難しい。それぞれのペースが出来ているので波長が合わない。僕は休憩はほとんどしない。平坦な道なら2,3時間に1回くらいだ。その代わり山道ではへこたれて休憩を入れまくる。出会って、別れる、必然だ。ずっと一緒はうざいし、ずっと一人はつまらない。歩くのはさらりと付き合うのが良い。

 番外第12番札所延命寺[えんめいじ]。隣に東屋がある。さらに商店があるので買い物をして昼食にする。東屋では寝ている人がいたので日陰に銀マットをひいてくつろぐ。おじいさんが延命寺から出てこちらにやってきた。いかにも野宿していそうだ。話をするとやはり野宿だそうだ。88個所のみならず番外、奥の院をまわっているそうだ。奥の奥へ行くのだそうだ。年季もちがう、この人はプロだ。僕を見て野宿する人と思ったのだろう。この先のJR伊予寒川駅[いよさむかわえき]で野宿できると情報を得る。さらに先の公園では警察が巡回しているらしいので泊まらないほうが良いと教えていただく。職務質問されるのだろう。ジュースをおごってやろうと言われたが、お断りする。旅費を僕に割いていただくのは申し訳ない。延命寺で納経を無料でやってくれたので気にすることはないと言ってくれたがやはり気がとがめる。結局、いただかなかった。

 別れを告げて先を行く。蚊に刺されたのが痒い。収まらない。顔はほとんど刺されていないが腕がひどい。変形するほどではなくそれぞれが小さく個所が多い。水が近くにあったので蚊がたくさんいたようだ。こういうときは風呂に入れば治りが早いだろう。伊予寒川駅はちょっと近すぎる。できれば第65番三角寺[さんかくじ]に行きたい。しかし、宿は手前に集中している。今日はそこの一つに泊まることにする。電話をして夕食も出していただけるとのことでお願いする。

 宿で風呂に入る。やはり、風呂は良い。きれいに洗う。客は僕と2人の男性だけのようだ。夕食のとき宿のおばさんと話す。足摺岬のこと、姉妹で歩いて区切り野宿している人(すげー)、これから回るお寺のこと(宿坊やってないとか)教えていただく。

 寝る前に荷物の整理をする。納め札が大量に余っている。1番で100枚買ったが全然使ってなかった。お寺で納めていくのだが名前を書くのが面倒なので書かないで入れていたが、それも面倒になって入れなくなっていた。家に持って帰っても仕方がないので名前、住所を書きまくる。これからまわるお寺に数枚ずつ入れていけばなくなるだろう。

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