2001年7月5日(木) 遍路9日目
遍路のプロに出会う
晴、17時過ぎから曇
 
 5時前に起きる。宿に泊まらないと夜やることが無いため朝早く起きてしまう。実に健康的な生活だ。しかし、風呂に入らないから不衛生だ。5時にバス停出発。ありがとうバス停。

 1時間ほど歩くと四国のみち夜須休憩所に到着。トイレと水、東屋がある。猫が3匹居て飢えているのか、しきりに鳴いて何かをねだる。僕も飢えていたので150mくらい先のコンビニ「サンクス」で朝食を買う。戻って朝食タイム。猫が「何か食い物くれ」って鳴いてるのでパンのかけらをやった。だけど、すぐに後悔して追っ払う。朝食後、水があるので今度は洗濯タイム。歯磨きをし、白衣、Tシャツ、靴下を石鹸で洗い東屋の手すりに干す。日が出ているのですぐ乾くだろう。バンダナで体も拭く。一連の動作が終わって東屋に荷物を広げて整理をする。朝早いのでほとんど人がいない。のんびり椅子に座ってくつろぐ。

 夫婦の歩き遍路がやって来た。一見して野宿とわかる出で立ちだ。僕のエマージャンシが最高潮に達した。いかんせん荷物は広げているし洗濯物は干しているしで身動き取れない。そのため、極めて爽やかに?挨拶をする。その夫婦は白衣は着ていない。金剛杖を持っているので遍路とわかる。男性は50歳位だろうか、遍路は見た目年齢不祥な人が多い。おもむろに東屋にやって来たので荷物を片付けつつ警戒する。しかし、夫婦はいたって明るい。あぁ良い人なんだと1分後わかった。話すと九州から来て、30数回、四国を回っているそうだ。昨夜は海岸で野宿して、霊を見た話を夫婦でしてくれた。頭おかしいんじゃないかと思うが、本気なのでこういう夫婦なのだろう。また、梵字が浮かび上がっている石を見せてもらったがどれが梵字か良く分からなかった・・・。この人たちはプロだと勝手に判断した。僕が「これから先の野宿ポイントはどのへんですか?」と聞いたら親切に教えてくれた。このとき参考書として買った「四国遍路ひとり歩き同行二人」を元に印をつける。この参考書はいろんな人が持っているので話しやすい。奥さんが缶コーヒーを買ってきてくれた。野宿している人におごられると申し訳ない気持ちでいっぱいになるが断るわけには行かないのでいただく。野宿のときの犯罪についても話してくれる。ヤンキーにナイフで脅されてお金取られたとか、人が死んだとか、女性が犯されたとか、変態が出たとか、荷物取られたとか色々聞いた。民家が近くにない場所では助けを呼べないので怖いそうだ。野宿での犯罪の存在をほとんど考えてなかったので意識しよう。

 この夫婦の持論として遍路はなるべく金を使ってはならないそうだ。もちろん歩くことは前提。宿に泊まらず人々に助けを求めてどこかに野宿する、それが遍路だと。話していると今度は若い男性が歩いてきた。昨日、神峯寺から下りているときに見た男性だ。僕らが挨拶するとその人は挨拶せずにさっさと歩いていってしまった。関わりたくないような雰囲気だった。おじさんは「宿遍路だな」と言って差別している。僕も宿に泊まるし野宿もする。この2日間、野宿をしたので野宿オーラが僕から出ていたのかもしれない。宿に泊まらないと言うのは僕の最初の目標だったのでかなり触発される。これからは、宿に泊まらないようにしよう。

 一見、怪しい人でも話してみると親切な人だ。見た目で判断してはいけない。7時くらいになって白衣もだいぶ乾いたので着て出発する。自然と夫婦と一緒に歩き出す。

 市街地に入ったところで奥さんのほうが疲れたので夫婦は休憩する。僕は疲れていなかったので別れを告げて第28番札所大日寺[だいにちじ]を目指す。

 大日寺に到着。朝、挨拶をした男性がいた。話してみるとやはり、怪しいから通りすぎたと言う。せめて挨拶しようよ・・・。女性も一緒のようでこの人は歩いている様子はない。三重県から来たそうだ。朝は国民宿舎海風荘から歩いてきたそうで???なぜなら僕は抜かされていないぞ。僕が休んだバス停からさらに2kmくらい先にある。何かでショートカットしたのかな?

 少し歩いたとこに佐古[さこ]簡易郵便局がある。財布の中のお金が乏しくなっていたので貯金をおろす。CD(キャッシュディスペンサ)機は無いが郵便カードだけでおろすことができる。知らなかった。ポケットティッシュを2つ頂く。

 第29番札所国分寺[こくぶんじ]。第30番札所善楽寺[ぜんらくじ]手前で道に迷う。善楽寺でお参りを済ませた時間が13時45分。がんばれば第32番札所禅師峯寺[ぜんじぶじ]まで行けそうだ。

 第31番札所竹林寺[ちくりんじ]山の上にある。山道を行くとなぜか植物園に迷い込んでしまった。竹林寺はどこだぁ、と叫んでみたがよくわからん。結局、植物園の入り口に行って聞いたらすぐそこだった。どこかで道を間違えたのだろう。ちなみに植物園の入場料は取られなかった(くれといっても払うつもりはないが)。
禅師峯寺のある山
 上の写真は禅師峯寺に向かう途中に撮影。山に登る手前に大きな池がある。写真では柵の向こうがすぐ池。
 山の下に到着。17時になりそうなので一気に登る。なんとか間に合った。16時55分。

 お参りをして駐車場で休む。今日は足が快調だった。良く歩いたのでくたびれた。朝の誓いに反し宿に入ることを決める。実は駐車場に大きなガレージがありベンチが2つ置いてあった。水もトイレもすぐそば。いかにも野宿しても大丈夫そうな雰囲気だったが風呂に入りたかった。そのため、近くの看板で見た旅館海老荘[りょかんえびしょう]に電話で予約する。おじさん、おばさんごめん、今日は宿に行きます。

 海老荘では浴衣が無かった。有るのか聞かなかったので有るのかもしれないが土木工事の人(同じ泊り客)も着ていなかったのでないのかもしれない。TVでポルノグラフティのアゲハ蝶?が流れていた。素泊まり3500円、夕食+1000円。安い。朝食は食べずに明日も早く出よう。

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