2001年6月29日(金) 遍路3日目
野宿にくじけ宿へ
朝、雨が降ったり止んだり、その後、晴
 
 野宿をすると夜することが無いので朝早く目覚める。7時までに第13番札所大日寺[だいにちじ]に到着したい。この前、いただいた栗饅頭を朝食とした。朝早いし、誰も多分見ていないので上半身裸になって全身をバンダナで拭く。パンツの中も、もちろん拭く。着替えもする。水道が有るって便利だ。顔が洗えるだけでなく、体も拭ける。洗濯も出来る。

 出発をする直前、昨日使っていた金剛杖に別れを告げる。へし折って捨てる。さぁ、歩こう。

 第13番札所大日寺には宿坊があるそうだ。いったい宿坊とはどんなものなのだろうか。

 時折、雲が流れて晴れ間が見える。

 第14番札所常楽寺[じょうらくじ]。境内の中が石でごつごつしている。なんでこんなところにお寺があるのだろう。石で滑った。

 第15番札所国分寺[こくぶんじ]

 第16番札所観音寺[かんおんじ]に歩いているとき、向こうから大きな荷物を背負った中年の男性が歩いてくる。話をすると、遍路ではなく登山の練習をしている人だった。背中に背負った荷物は20kg。時間は9時過ぎ、山男はあの山を今日は登って往復するんだと平然と言う。僕の背の荷物は8kg程度。出発前の練習は、今考えればえらくいいかげん。そのことを話したら、「そんなのはあんまり意味ないよ」とさらりと言われてしまった。でも、全く持ってその通り。訓練ならば持っていく荷物と同じ物を持って、同じ装備(服装)で歩かなければならない。わずか4kg程度の荷物で3時間弱ではやらないよりはましだが、訓練ではない。健康増進でしかないことを身をもって分からされている。やはり、訓練はかぎりなく同じ条件で行わなければ意味はなさない。男性は今度、アルプスに行くそうだ。

 観音寺の手前で道を間違える。思い込みでお寺には大きな木があるから分かるかと思ったが分からなかった。

 第17番札所井戸寺[いどじ]に向かう途中、50代の男性歩き遍路に出会う。千葉県から来たnさん。納め札を交換しようと言うことで交換する。相手が全部の住所を書いていたので自分もそれに従って書いて交換する。この人は6月30日で帰ってしまうらしい。まだ、座って休むとのことで別れる。今日の目標は第19番立江寺[たつえじ]だ。

 歩いて行くと賑やかになってくる。なんだか見た風景だなぁと思ったら徳島市内。JR徳島駅はどこだろう?歩いていて両足のかかとがものすごく痛い。歩くペースがどんどん落ちていく。ごまかし、ごまかし歩く。

 銭湯があるので入浴することに決める。コインランドリーも併設されているようなので洗濯もしちゃおう。足のかかとがとてつもなく痛むので休憩もしよう。

 銭湯はお接待で300円を無料にしていただいた。ありがとうございます。電気ブロ、最高。足以外の部分を近づけるとびりびりしてとてもじゃないが浸かっていられない。かかとを近づけると良い感じにしびれる。それだけ、足が麻痺しているようだ。体重計があったので試しに量ってみる。79.5kg、多少の誤差があるかもしれないが減ってる。恐ろしいくらいに体重が落ちてる。まともに飯を食わないからだろう。人間疲れると飯食いたくなくなる。

 風呂を上がり、併設されているコインランドリーに行って洗濯。足の痛みも和らぎ椅子に座って洗濯、乾燥が終わるのを待つ。

 そのとき、コインランドリーの入り口でお経を唱える声がした。なんだろうなぁと思っていると近くにいたおばさんが「100円でも入れてあげな」と言うのでわけもわからず見に行く。すると、お坊さんが手におわん?のような物を持ってお経を唱えているではないか。そして、そのおわんにはお金が入っている。ああ、これに入れるのだなと思い100円を素直に入れてあげる。おばさんもいくらか入れたようだ。お坊さんは立ち去り、さきほどのおばさんと話をする。あれは、托鉢[たくはつ]というものらしい。おばさんは、僕が遍路だと知ると「ああ、お遍路さんはあげなくても良かったのよ」と言い、100円お接待していただく。わけがわからないが、遍路はお坊さんにお金をあげなくても良いらしいことを知る。もちろん、したい場合はしても良いと思われる、迷惑なことじゃないから。

 いざ、第18番札所恩山寺[おんざんじ]に向かって歩く。足の痛みは和らいで快調と思いきやそれは最初の10分程度。やはり、かかとがジンジンして痛い。恩山寺手前のバス停に老齢、男性の歩き遍路が座っている。今晩はここで野宿するのだろう。17時前、やっとのことで恩山寺に到着。納経も済ませ今日の宿を探す。先ほどのバス停に行こうと思うが先客がいるので止めたほうが良さそうだ。うーん、恩山寺のちょっと前に宿があった。足も痛いし、野宿は止めて宿に入ろう。そうすれば、明日足の痛みもなくなっているだろうと弱気になり民宿ちばに泊まることにする。

 全部、野宿で行こうと決めていたのだが、一度宿に泊まるということを考えるとそれを正当化する考えしか浮かんでこない。軟弱だ。それと、お金があるってすばらしい。

 部屋に入るとノートが置いてある。「旅の想い出」。最近、書かれているのかなと思ってめくると今日書いたのがある。20代の男性でここで2泊して今朝、家に帰ってしまったらしい。残念だ。宿には宿の面白いことがあることを発見する。僕もノートに書きこみをしておいた。

 テレビで映画「おもひでぽろぽろ」をやっているが疲れて見る気になれず布団に入る。

 布団で寝るのは最高と思いきや、かかとが痛くてなかなか眠れない。仰向けになると、かかとが布団に着いて痛い。横を向いて寝る。

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