2001年7月17日(火) 遍路21日目
大雨の中
晴、大雨、曇
 
 昨日、朝6時開門だと聞いた。こういう宿だと制限が付いてしまう。僕のほうが非常識なのだから仕方が無いか。

 雲は有るが天気は悪くない。道後温泉街を抜け住宅地へ。途中、少年院の横を通り高い塀が無いことに驚く。変な思い込みが発覚。

 第52番札所太山寺[たいさんじ]。本堂へ行くまでずいぶん登る。登った先で初老男性歩き遍路と挨拶をする。この時期歩いている人は少ない。

 山門の手前に木を見上げている人がいる。何があるのかと見上げるが、分からない。聞くと梟がいるとのこと。よくよく見ると確かに3羽とまっている。おもむろに近所のおじさんが現れ、毎年来ているつがいと教えてくれる。でも3羽いるので1羽多い。深く考えることは止めて出発。甘いものが欲しくなりリプトンのミルクティを飲む。うめー。甘ったるさが最高。

 第53番札所円明寺[えんみょうじ]。なんだか歩く気力が無くなりベンチでボーっとする。お参りの団体を続けて2組眺める。様々な人が居る。団体だと代表が音頭を取ってお経読む。それに目もくれず写真を撮りまくる人。鐘を突く人。ふらふらする人。おばあさんが多いのが特徴だろうか。若い女性もぽつぽついる。若い男性は皆無・・・それと納経は添乗員がまとめて行っている。添乗員は真っ先に納経所に突入し、遍路はお参りをする。なんとも変なお参りだ。ここまでのお寺で白衣に印を押している添乗員の姿もあったし、納経には深い意味は無いようだ。端っこのベンチだったので誰とも挨拶をしなかった。避けられているとも言う。20分くらい休んで出発。短い間に団体は行ってしまう。

 しばらく歩くと宅急便の集積場があった。荷物の伝票の写し(複写式の一部)が辺りに散乱していて信用の度合いを急激に下げる。敷地内だけでなく道にも沢山ある。ごみを撒き散らしているのは良くない。それを眺めて歩いているとどんどん辺りが暗くなってきた。雨降るかなぁなんてのんきに見上げていると突然、降ってきた。大雨だ。カッパは間に合った。大雨だ。前が見えないくらい降っている。それで見えなくなったのか、あっさり道を間違えた。ここは何処だ?上を大きな道がある。この道を行けば良いのか。なんとか道に行きたいが線路が横たわっている。仕方ないのできょろきょろしながら渡る。踏み切りでない所なのでかなりヤバイ。しかも大雨で辺りが全然分からない。渡りきったとき心からほっとした。そこには石碑があって轢かれて死んだ人がいたようだ。手を合わせて大きな道に向かう。後ろで電車が通った。こりゃ、横切るとき電車が来ても分からなかっただろう。轢かれて当然の状況だった。これからは止めよう。事故の元だ。

 大雨、雷の中、歩く。車が路肩に止まっている。大雨で危なくて運転出来ないようだ。歩道を歩いているのでまさか突っ込んでは来ないだろう。大雨の中、遍路として自分が歩くことに酔いしれる。困難でありそうな状況が良い感じだ。海に沿った道を進む。雨宿りしている遍路が道の向こう見えたがそのまま通過。

 雨が止んだ。電話して宿を予約。この時期どこもがらがらだ。夕食は用意してくれるとのことで頼む。宿の手前のスーパーで朝食の買出しをして宿に向かう。

 夕食のとき宿のおばさんと話す。昨日、新潟から来た一人歩き遍路の男性が泊まっていたそうだ。30代のリストラー。遍路をやめたいと思ったことは幾度となくあったが自分だけでなく他の人とも歩いているのでやめられないと言っていたそうだ。僕もそう思う。お接待してくれた人、挨拶してくれた人、そういった人々と共に歩いているので、そうそうやめられるものではない。

 先のお寺のことを教えてくれる。横峰寺を後回しにすると効率的に回れるらしい。石鎚山には登ってみたい。出たとこ勝負ってことで部屋に引き上げる。

 夜中、雨の音で起きる。明日は雨でなければ良いのに。

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